甲州
Koshu
和食に寄り添う、日本ワインの顔
甲州(こうしゅう)は、日本ワインを象徴する日本固有の白ぶどう品種です。
1000年以上前から山梨で栽培されてきたとされる甲州は、2010年にOIV(国際ブドウ・ワイン機構)へ品種登録され、世界に認められた日本の白ぶどうです。ややグレーがかった果皮を持ち、穏やかな酸味と、かぼすやすだちを思わせる和柑橘のニュアンスが特徴。派手さより繊細さで魅せる品種です。
辛口のすっきりタイプから、シュール・リー製法でうまみを引き出したもの、樽熟成でリッチに仕上げたもの、スパークリングまでスタイルは多彩。出汁や魚介を使った和食との相性は抜群で、日々の食卓に寄り添う一本を探しやすい品種です。主産地は山梨県・甲州市勝沼を中心とした甲府盆地。
- 日本固有・OIV登録の白ぶどう
- 穏やかな酸と和柑橘のニュアンス
- 辛口〜樽熟成まで表現が多彩で和食に好相性
甲州の香り・味わい
グラスからは、ゆず・すだち・かぼすといった和柑橘や白い花、ほのかに和梨を思わせる香りが立ちます。味わいは軽やかながら、果皮由来のかすかなほろ苦さが余韻を引き締め、これこそが「料理を呼ぶ白」と言われるゆえんです。
ステンレスタンクの若飲みタイプはフレッシュな酸を、澱とともに寝かせるシュール・リー製法はうまみと厚みを、樽熟成はふくよかさを、果皮ごと醸すオレンジタイプは奥行きを引き出します。同じ品種でここまで表情が変わるのは甲州ならでは。飲み頃は8〜10℃、小ぶりのグラスが香りをまとめてくれます。
栽培と日本の気候
果皮がやや厚いグリ系品種で、日本の多湿な気候にも比較的強く、伝統的に棚仕立てで育てられてきました。放任すると収量が上がりやすいため、近年は房を落として凝縮感を高める造り手が増え、甲州ワイン全体の品質を押し上げています。
甲州の歴史
甲州の歴史は古く、奈良時代の僧・行基が伝えたとする説と、平安末期に勝沼の雨宮勘解由が見出したとする説が語り継がれています。明治10年(1877年)には勝沼に日本初の民間ワイン会社が誕生し、甲州は日本ワイン産業の出発点になりました。2010年にはOIV(国際ブドウ・ワイン機構)に品種登録され、「Koshu」の名で世界に通じる品種となっています。
日本での栽培状況
ワインターミナル掲載のワイナリーのうち、102軒が甲州を手がけています。
産地によるスタイルの違い
- 山梨
- 主産地。勝沼を中心に、辛口・シュール・リー・樽・オレンジと最も多彩なスタイルが揃う
- 島根
- 出雲エリアなどで栽培。ふくよかで柔らかな酒質が持ち味
- 山形
- きれいな酸を活かしたクリーンな辛口に出会える
よくある質問
甲州ワインはどんな味ですか?
和柑橘を思わせる香りと繊細な酸、かすかなほろ苦さを持つ上品な辛口が主流です。シュール・リーや樽熟成、オレンジワインなどスタイルの幅も広がっています。
甲州は白ワイン用なのに、ぶどうの皮は紫色なのですか?
はい。甲州は果皮が薄紫色の「グリ系」品種です。白ワイン用に仕込まれますが、果皮の色素を活かしてほんのり色づいたロゼ色やオレンジワインも造られます。
甲州ワインが寿司や和食に合うのは本当ですか?
本当です。繊細な酸と控えめな香りが出汁や生魚の風味を邪魔せず、ほろ苦さが後味を切ってくれるため、寿司・天ぷら・和食全般と好相性です。
甲州のオレンジワインとは何ですか?
白ぶどうの甲州を赤ワインのように果皮ごと醸して造るスタイルです。グリ系の果皮から色と複雑味が出て、通常の甲州より厚みのある味わいになります。
ぶどうの甲州はそのまま食べられますか?
食べられます。もともと生食もされてきた品種で、上品な甘さとほのかな渋みがあります。現在は大半がワイン用として栽培されています。