東京で角打ちワインが楽しめる酒屋・ワインショップ8選。買う前に一杯の新しい定番
ワインショップの棚の前で「気になるけど、開けてみないと味がわからない」と迷った経験はありませんか。その迷いを解決してくれるのが、酒屋やワインショップの店内で一杯飲める「角打ち」です。売り物のワインをその場でグラスで味わい、気に入ったらボトルを買って帰る。東京では今、この飲み方が新しい定番になりつつあります。
この記事では、ワイン角打ちの仕組みとマナー、そして東京で角打ちができる酒屋・ワインショップを8店紹介します。ワインターミナルには全国648店のワインショップが収録されており、角打ち・グラス対応の店だけを絞り込んで探すこともできます。記事を読み終えたら、そのまま近所の一軒を探してみてください。
ワインの角打ちとは。酒屋で立ち飲みする文化
角打ちとは、もともと酒屋の店先や店内の一角で、買った酒をその場で立ち飲みする文化を指す言葉です。語源には枡の角に口をつけて飲んだからという説など諸説ありますが、九州の炭鉱街や下町の酒屋で育った習慣で、長らく日本酒やビールの世界のものでした。それがここ数年、ワインショップやナチュラルワイン専門店に広がり、「ワイン角打ち」という楽しみ方が定着してきました。
広がりの背景には、ナチュラルワインブームで小さな専門店が増えたことがあります。個性の強いワインほど「説明を聞くより飲んだほうが早い」ので、売り場に一杯飲める場所を設ける店が自然と増えました。買い手にとっても、開けてみないとわからない不安を数百円で解消できる合理的な仕組みです。
仕組みは「小売価格プラス抜栓料」が基本
ワイン角打ちの多くは、店頭に並ぶボトルを小売価格で選び、抜栓料(持ち込み料にあたる開栓手数料)を数百円から千円ほど足して店内で飲むスタイルです。たとえば茅場町のかめじま商店は1人250円、三軒茶屋のPeròは1本1,000円の抜栓料でボトルを開けられます。レストランのワインリストのような2倍3倍の値付けではなく、ほぼ売値のまま飲めるのが最大の魅力と言えます。
もうひとつの主流が、グラス単位で提供するスタイルです。テイスティングバーを併設した店では、常時10種から30種ほどをグラスやより少量で試せます。ボトル1本を開ける勇気がいらないので、飲み比べて好みを探したい人に向いています。
ワインバーとの違い
ワインバーとの最大の違いは、店の主役があくまで「販売」であることです。角打ちは酒販店のサービスの一部なので、価格は小売ベースで安く、飲んで気に入った一本をそのままレジで買って帰れます。飲む体験と買う体験が地続きになっている点が、バーにはない面白さです。
一方で、バーのようにゆっくり腰を据える場所ではありません。立ち飲みが基本で、席数もつまみも最小限という店が多数派です。サクッと一、二杯やって、ボトルを提げて帰る。この軽やかさこそ角打ちの流儀だと覚えておきましょう。
東京で角打ちワインが楽しめる酒屋・ワインショップ8店
ここからは、ワインターミナルの東京のワインショップ一覧から、角打ち・グラス対応の店を8店選んで紹介します。銀座の大型店から下町の老舗酒屋まで、エリアもスタイルも意識的に散らしました。東京だけで角打ち・グラス対応の収録店は100店を超えるので、ここに挙げるのはあくまで入口です。営業時間や定休日は変わることがあるため、訪問前に各店の公式情報を確認してください。
Grand Marché du Vin GINZA(銀座)
銀座駅C2・C3出口から徒歩1分。創業140年のインポーター徳岡が直営するワイン&フードバルです。ワインサーバーのEnomaticを備え、約32種を10mlからの少量で試飲できるのが特長で、普段は手が出ない高級ワインもひと口から体験できます。ショップには800円台から1,000点超が並び、飲んで選んで買って帰るまでが一か所で完結します。詳しくはGrand Marché du Vin GINZAの店舗ページへ。
かめじま商店(茅場町)
茅場町駅3番出口から徒歩30秒の角打ちビストロ。常時80種ほど揃うワインはほぼビオで、ショーケースやセラーから選んだ一本を小売価格プラス抜栓料1人250円で楽しめます。フレンチ出身シェフによる約50品のビストロ料理と合わせられるので、角打ちの気軽さと食事の満足感を両取りできる店です。かめじま商店の店舗ページで詳細を確認できます。
WINE MARKET PARTY(恵比寿)
恵比寿ガーデンプレイス内にある、2,000種超を誇る日本最大級のワイン専門店です。店内のテイスティングバーでは常時20種以上をグラス500円からで試せて、ラインナップは毎週入れ替わります。日本ワインや自然派の棚も充実し、有資格スタッフに相談しながら選べるのも心強いところです。詳細はWINE MARKET PARTYの店舗ページへ。
山本商店(恵比寿・代官山)
恵比寿駅西口から徒歩6分ほど、駒沢通り沿いのビル地下で3代続く個人経営の酒販店です。名物は、店で買ったワインを小売価格そのままグラスで飲める角打ち。フランスを中心に約800種が並び、千円台のデイリーから特大ボトルまで守備範囲の広さも魅力です。平日は深夜24時まで営業しているので、仕事帰りの一杯にも重宝します。山本商店の店舗ページもあわせてどうぞ。
WINE SHOP nico 渋谷店(渋谷)
渋谷駅から徒歩約1分、日本ワイン専門の「ハイブリッド角打ち」を掲げる店です。北海道から九州まで国産ワインだけを扱い、常時10種以上をグラスで提供。チーズ料理とのペアリングも楽しめます。日本ワインを産地ごとに飲み比べたい人には格好の拠点になるはずです。詳しくはWINE SHOP nico 渋谷店の店舗ページへ。
WINES&THINGS(中目黒)
中目黒駅から徒歩6分ほど、目黒川近くのナチュラルワイン専門店です。店主が1,000本超のセラーから厳選した自然派を角打ちスペースでグラス販売しており、気に入ればその場で購入できます。クラフトビールのタップも併設する「買って飲める」店で、月曜が定休です。WINES&THINGSの店舗ページで営業時間を確認してから訪ねましょう。
Però(三軒茶屋)
三軒茶屋の地下にある、イタリア自然派専門の「飲めて買える」ワインストア。人気イタリアンバル「Bricca」の運営で、約500種のイタリア自然派から選んだボトルを抜栓料1,000円でその場で開けられます。シェフによる季節のおつまみも用意され、深夜24時まで開いているのも三茶らしいところです。詳細はPeròの店舗ページへ。
相模屋本店(浅草)
浅草・田原町エリアで創業130年を数える老舗酒屋です。4代目が自然派ワインに舵を切り、フランス・イタリア・ドイツ・オーストリアから直輸入する卸兼小売の店に角打ちを併設。日替わりでスパークリング1種と白赤各4種を開栓し、グラスで気軽に味わえます。下町の酒屋文化とナチュラルワインが交差する一軒です。相模屋本店の店舗ページもチェックしてみてください。
角打ちの楽しみ方とマナー
角打ちには、バーとも居酒屋とも少し違う独特の作法があります。難しいルールではなく、要は「酒屋の商売の邪魔をしない」という一点に尽きます。いくつか押さえておくと、店の人とも常連とも気持ちよく過ごせます。
長居しないのが粋
角打ちは回転の速さが身上です。立ち飲みで一、二杯を気持ちよく飲んで、混んできたら次の人に場所を譲る。この軽さが角打ちらしさを支えています。腰を据えて飲みたい日はワインバーを選び、角打ちでは「今日の一杯と、家に連れて帰る一本を決める時間」と割り切るのがおすすめです。
気に入ったら買って帰るのが礼儀
角打ちはあくまで酒販店のサービスです。売値に近い価格で飲ませてもらえるのは、店が「買ってもらうための試飲の場」として開いているから。飲んで気に入ったワインがあれば、ボトルを1本買って帰るのが何よりのお礼になります。逆に言えば、グラスで確かめてから買えるのだから、失敗のない買い物ができる場でもあります。
会計方式と現金の用意
店によってキャッシュオンデリバリー(その都度払い)だったり、後会計だったりと方式はさまざまです。昔ながらの酒屋では現金のみという場合もあるので、小銭を用意しておくと安心です。おつまみの持ち込み可否も店ごとに違います。総菜持ち込み歓迎の老舗もあれば、フードを自前で用意する店もあるので、初訪問の店では一言確認しましょう。
大人数より少人数で
角打ちのスペースはカウンターひとつ、立ち位置数人分ということも珍しくありません。大人数で押しかけると他のお客さんが入れなくなってしまうので、一人か二人、多くても三人までが目安です。声の大きさも酒場よりワントーン控えめに。店主や隣の常連との何気ない会話こそ角打ちの醍醐味なので、静かに溶け込むつもりで訪ねるとちょうどよくなじめます。
駅から角打ちの店を探す
角打ちは「近くにあるかどうか」がすべてと言ってよい遊びです。遠征して訪ねる特別な店より、通勤経路にあって週に一度寄れる店のほうが、結局あなたのワイン生活を豊かにしてくれます。ワインターミナルでは駅ごとのワインショップ一覧ページを用意しているので、職場や自宅の最寄駅から探すのがいちばんの近道です。ここでは角打ち文化の濃いエリアを駅別に紹介します。
銀座駅・有楽町エリア
銀座はワインショップの密度が都内屈指で、テイスティングバー併設の大型店から老舗酒販店の角打ちまで揃います。買い物や仕事帰りに一杯だけ、という使い方が似合う街です。銀座駅のワインショップ一覧から、営業時間や品揃えの傾向を比べてみてください。
恵比寿駅エリア
恵比寿はワインの街として知られ、大型専門店のテイスティングバーと個人酒屋の角打ちが共存しています。梯子するように2軒回って好みを探すのも楽しいエリアです。恵比寿駅のワインショップ一覧にまとまっています。
中目黒駅・渋谷駅エリア
中目黒はナチュラルワイン系の小さな専門店が点在し、目黒川沿いの散歩とセットで巡れるのが魅力です。渋谷は駅直結・駅近の店が多く、待ち合わせ前の30分でも一杯できます。中目黒駅の一覧と渋谷駅の一覧をどうぞ。ここに挙げた駅以外も、角打ち・グラス対応ショップの全国一覧から都道府県や駅で絞り込めます。
ワイン角打ちのよくある質問
一人でも入りやすいですか?
角打ちはむしろ一人客が主役の文化です。立ち飲みでグラス1杯からなので、一人でふらっと入って15分で出る使い方がいちばん様になります。カウンター越しに店主へ好みを伝えれば、次の一本探しの相談にも乗ってもらえます。
予算はどのくらい見ておけばいいですか?
グラス1杯500円から1,000円前後が目安です。ボトルを開ける場合は小売価格に抜栓料数百円から1,000円ほどを足した金額になります。2杯とつまみで2,000円前後、気に入ったボトルを1本買っても5,000円あれば十分楽しめる店が多いでしょう。バーで同じ体験をするより明らかに安く上がるのも、角打ちが支持される理由のひとつです。
ワインに詳しくなくても大丈夫ですか?
まったく問題ありません。角打ちは少量から試せるぶん、知識より「飲んで確かめる」が先に来る場所です。渋いと感じたら次は白、酸っぱいと感じたら果実味の強いもの、と一杯ごとに好みを言葉にしていけば自然と選べるようになります。そもそもワインが苦手という方は、ワインが苦手な人向けの克服ガイドも参考にしてください。
まとめ
ワイン角打ちの魅力は「買う前に飲める」こと、そして「飲んだら買って帰れる」ことに尽きます。小売価格ベースの気軽な一杯で失敗のない一本に出会えるのだから、ワイン選びに迷ってきた人ほど使わない手はありません。長居せず、気に入ったら買う。この二つだけ守れば、酒屋の一角はあなたの止まり木になります。
まずは角打ち・グラスで飲めるワインショップの一覧を開いて、通勤経路や家の近くの一軒を見つけてみてください。全国のショップはワインショップを探すトップからも辿れます。今夜の一杯が、明日の食卓の一本につながります。